大自然の中、小気味よいシャッター音がこだまする。彼はボストン近くのロード島で生まれ育ったフォトグラファーのSam。コロラドとユタとNYと北京に住んだことがあって、現在はロサンゼルスで、スタイリストの彼女と暮らしている。
「マニュアル車とカメラは似ているよね。車でもカメラでも、自分でコントロールしている感があるんだ」
彼が乗っているのは銀色のマニュアルFIT。購入したのは2008年のことだ。
「燃費がよくてコンパクトだけど、人も物もたくさん積めるからね」
10年の間にアメリカ横断を4回して、週末はビーチに行ったり旅行に出かけたり。雪、雨、雷、土、泥…どんなコンディションにも耐えてきたFIT。ワイルドなボディは、ほかでもないSamの相棒である証のようにも見えた。
「こんなに一緒にいるとは思っていなかったよ。この10年、僕らは素晴らしい冒険を共にし、たくさんの場所へ行き面白いものをたくさん見てきたんだ。これからも一緒に“まだ見ぬ何か”を探しに行きたいね」